戸を開けると中からあたたかい空氣が 飛び出すやうに 顔を打つた 椅子がばらばらに置いてある せまい室 明るい笑ひ聲を 人々は立ててゐた 街は寝しづまつてゐるのに お前の目は燃えるやうであつた 室をのぞき込んでから そこには立寄らなかつた お前の足は ふと止つた 信じて下さるでせうか 私の 純潔 を お前の 言葉は 眞面目に ひくく ひびいた 私は信じることが出來なかつた 愛する やさしい 美しい お前 では あるけれども 醉つたやうに 私はお前の手をひいて 歩きはじめた
戸を開けると中からあたたかい空氣が
飛び出すやうに 顔を打つた
椅子がばらばらに置いてある せまい室
明るい笑ひ聲を 人々は立ててゐた
街は寝しづまつてゐるのに
お前の目は燃えるやうであつた
室をのぞき込んでから そこには立寄らなかつた
お前の足は ふと止つた
信じて下さるでせうか
私の 純潔 を
お前の 言葉は 眞面目に ひくく ひびいた
私は信じることが出來なかつた
愛する やさしい 美しい お前 では あるけれども
醉つたやうに 私はお前の手をひいて 歩きはじめた